効果的な競合分析とは?
日々増えていく競合他社の動きはモニタリングしていますか?
一言で競合分析といっても様々な手法があります。新規参入してくる競合他社のブランドをチェックし、彼らがSNSで何を発信し、どのようなインフルエンサーを活用してブランド認知を促しているのか。キャンペーンはどれくらいの規模をどれくらいの期間で実施しているのか。彼らのフォロワー数の推移、各投稿のエンゲージメント、リツイート数といったようにモニタリングすべき指標は多数存在しています。
本ブログでは、競合分析に必要な指標や分析手法などを分かりやすく解説していきます。
目次
競合分析とは?
競合分析の定義:競合他社の長所と短所を特定し、自社ブランドと比較・評価すること。競合分析で得た情報は、自社ブランドにおけるマーケティング戦略を改善させるために活用し、そしてユニークなブランドとして認知されるために活用していきましょう。
競合分析には下記を含める必要があります:
- 競合他社を特定する
- 競合他社に関する情報を入手する
- ブランド認知度:競合他社を認識しているターゲットの割合
- 価格設定:競合他社の商品とサービス価格
- 財務情報:株価、決算書など
- 商品:長所と短所
- カスタマーエクスペリエンス:カスタマーケアの評価
- 知的財産:著作権、商標、特許など
-マーケティング:キャンペーン、イベント、プロモーション活動、SNS等
-リスク:競争上の強みや利点
-ビジネスチャンス:自社ブランドが競合他社よりも優位に立てる点は?
- 企業文化:昔からあるブランドなのか、それとも新規参入したブランドなのか
- 地域:販売対象となる地域や国 - 競合他社の戦略を評価する
- 自社ブランドと比較して彼らの長所と短所を定義
- 競合他社の行動を予測し、彼らより更に上を行くビジネスアイデアを考案
大反響を呼んだ『YOU MEET THE NICEST PEOPLE ON A HONDA(素晴らしい人々、Hondaに乗る』キャンペーン
かつて、ハーレーやトライアンフといった大型バイクは米国市場を支配していました。その中でホンダ社は、米国内でバイク事業を拡大したいと考えており、競争他社を分析し、当時ではニッチな領域であった小型バイクの可能性を見つけました。 早速、日本でコストを削減しながら生産し、『YOU MEET THE NICEST PEOPLE ON A HONDA(素晴らしい人々、Hondaに乗る)』をキャッチコピーを用いた広告を通して販売した小型バイクは米国市場で大成功を収め、特によりリーズナブルなバイクを探していた若い層のこころを掴むことができました。
競合分析が必要な理由
競合他社がどのような戦略を策定して、市場に参入しているのかを把握していなければ、同じ土壌で戦った際に勝利できる道筋を描くことはできません。
競合分析のメリット:
- チームがより良いマーケティング戦略を策定するのに役立ちます
- 現在最適化されていない市場の機会を特定します
- 競合他社の弱点を利用し、市場シェアを拡大するのに役立ちます
- 持続可能な競争上の優位性を生み出すことができるようになります
- 将来の投資を計画するのに役立ちます
さまざまなタイプの競合分析
競合分析は市場調査とも捉えることができ、製品の発売など、さまざまな戦略におけるビジネスチャンスとリスクを発見します。
競合他社のコンテンツを分析および比較する
競合他社を特定したら、より深く掘り下げて、競合他社が公開しているコンテンツの種類をより理解していきましょう。
それらのコンテンツを分析することで、競合他社に勝つためにはどのようなチャンスが必要かを判断するのに役立ちます。競合他社の下記のコンテンツをチェックして見ましょう:
- ブログ投稿、ホワイトペーパー、ケーススタディ、電子書籍、ニュースレター
- 動画、ポッドキャスト、ウェビナー
- 有料広告
- 画像
- プレスリリース
そして、これらのコンテンツの品質もチェックすることが重要です。彼らがブログを書いたり、新しいコンテンツを追加したり更新したりする頻度と、彼らが話し合っているトピックに関しても忘れずに見ていきましょう:
- 彼らはあなたがしていないことをしていますか?
- 彼らはあなたよりも多くの投稿をしていますか?
ただコンテンツを増やすという理由でブログを書くのはやめましょう。魅力的なコンテンツでない限り、トラフィックが増えることはありません。
SEOの構造を分析する
下記は競合分析が必要な場合になります:
- 新しいウェブサイトを公開し、業界や競合他社を調査したいと考えている
- 広告やキャンペーンが上手くいかず、競合に後れを取っている
- ビジネスは成功しているが、できれば業界のトレンドに上手く乗りたい
あなたの競争相手はあなたと同じ回数で、同様の内容で投稿しています。しかしながら、 彼らは検索エンジンで上位にランキングされているとします。 彼らはあなたと何が違うのでしょうか?この場合、まず考えられる理由としてSEO対策が上げられます。 競合他社が使用しているキーワードやリンクの管理方法などを調べる必要があるでしょう。
確認する必要がある事項は下記の通りです。
競合他社が使用しているキーワードはどこに記載されていますか?
- ページタイトル
- URL
- H1及びH2タグ
- コンテンツ
- 内部リンク
- 画像テキスト
- メタディスクリプション
- SNS
- 広告
そして下記もチェックしてみましょう:
- ドメイン権限
- ルートリンクドメイン
- サイトマップ:HTML、画像、XML、動画など
- ページのテンプレート:サイトがどれだけうまく設計されているか。 彼らのサイトはモバイル対応されているか?
- バックリンクを分析するーどのウェブサイトが彼らのリンクを掲載しているのか
- ブログのトピックと投稿頻度
コンテンツのSEO構造だけでなく、競合他社が使用しているキーワードの種類も確認する必要があります。 これはキーワードギャップ分析と呼ばれ、競合他社がランク付けしているキーワードと、Webサイトがランク付けしていないキーワードを特定します。 競合他社の分析の一部は、SERPs(Search Engine Result Pageの略で、ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードの検索結果を表示するページのことを指す)のどこにランク付けされているかを見つけ、より高いランクを獲得することです。
ギャップ分析の結果が得られたら、サイトを改善することができます。 メタデータ、サイトの構造を確認し、ランキングが悪い既存のコンテンツの中で不足しているキーワードを組み込み、新しいコンテンツを作成していきましょう。
新しいキーワードの検索ボリュームが多い場合は、検索ボリュームの少ないキーワード(通常はロングテールキーワード)を探します。
- ロングテールキーワード
「本」のようなキーワードは、消費者に人気のある検索用語ですが、競争が激しく、ランク付けが困難です。 これは一般的なキーワードであり、消費者が何を求めているか(事実、フィクション、伝記)については何も教えてくれません。 例えば、米国の旅行ガイドブックをターゲットにするといったようにロングテールのキーワード/フレーズを選ぶことで、より多くの情報が得られます。 そして、仮に米国の旅行ガイドブックを自社サイトで販売している場合、それらに関するキーワードは自社サイトに掲載するとの共に、ロングテールキーワードとしても使用されている必要があります。また、キーワードのバリエーションを使用して、検索数を増やしていくことも可能です。例えば、米国に旅行にいく、米国旅行のおススメスポットなどです。 - トレンド化しているキーワード s
競合他社は、トレンド化しているトピックを使用していますか? もしそうであれば、検索エンジンの結果ページでそれらを上回る機会を逃していることになります。 トレンド化しているトピックを使用してコンテンツを制作することで、あなたのコンテンツが検索上でより多く検索されるチャンスが生まれます。 また、Googleのアルゴリズムは、最近更新されたトレンドのトピックやページのコンテンツを常に検索しているため、Googleのオーガニックランキングですぐに取り上げられる可能性も出てきます。
トレンド化されているキーワード・トピックをどうやって見つけるのか?
キーワード分析、特にオーガニックトラフィックをもたらした検索クエリを見ていきましょう。 下記はチェックすべきキーワードです:
- ビジネスに関連しているが、まだコンテンツを作成していないキーワード
- コンテンツで使用したキーワードであるが、もっと増やすことができる
- 既存のコンテンツに類似しているが、ターゲットにしていないキーワード
Talkwalkerのクイック・サーチ機能では、最新のトレンドや流行になっているキーワードを簡単に検索・分析することができます。この結果を基に、自社のサイト内で不足しているものがあれば、コンテンツを追加して、サイトを改善していくことができます。
業界に特化した検索キーワードである必要はありません。まずは、自社製品名を入力し、検索・分析してみましょう。 それらをSEO戦略に組み込むことにより、消費者の検索に貢献するため、SERPsで上位にランク付けされる可能性が高くなります。
クイック・サーチ機能では、自社製品に関連するキーワードやハッシュタグを可視化することができます。リアルタイムで検索・分析できるので、コンテンツのアイディアやSEO対策に活用されています。
SNSの存在価値
競合分析の次のステップは、競合他社がSNSをどのように使用しているかをモニタリングすることです。 彼らのSNS上で実施している活動やキャンペーン内容は、自社のSNS戦略を改善するのに役立ちます。
- 彼らはどのSNSを使用していて、どれが彼らにとって最も効果的ですか?
同じものを使用していますか? - 彼らのエンゲージメントにおける評価指標は何ですか?リツイート、共有、コメント数?
- どのくらいの頻度で投稿しますか?
彼らのエンゲージメントが高い場合、同じ頻度で投稿していますか? - 彼らは何人のフォロワーを持っていますか、そして彼らはどれくらいのスピードでより多くを獲得していますか?
- これはあなたの成長とどのように比較されますか?
彼らは誰をフォローしていますか? - 彼らは顧客サポートに積極的に対応していますか?彼らはカスタマーサービス専用の別アカウントを持っていますか?彼らは応答をパーソナライズしていますか?
競合他社が不足している場合は、このサービスを提供することでポイントを獲得できます。 - 彼らは何をうまくやっていますか?プロモーション、エンゲージメントの獲得、広告?
同じことをして、同じ結果を達成していますか? - 彼らの弱点は何ですか?レスポンスの遅さ、不規則な投稿、エンゲージメント不足?
競合他社にとって何が効果的で何が効果的でないかを知ることは、ブランドのSNSにおける存在感を向上させるのに役立ちます。 彼らに対抗できる領域を見つけたら、ブランドと自社オーディエンスに最適化していきましょう。
競合分析の実施方法
競合他社を特定したら、競合他社の調査や競合分析を早速開始していきましょう。
競合他社のFacebookフォロワーの数やツイートの頻度といった調査は競合分析の最初の一歩と言えるでしょう。そこから、さらに深掘りしていく必要があります。SNS分析 は、より深く、より価値のあるインサイトを可視化してくれます。 Talkwalkerなどのツールを使用すると、消費者が競合他社の製品やサービスについてどのように感じているかを理解し、新たなトレンドやキーワードなどを発見できます。一般公開されている会社情報やオンラインデータベースを読むのとは異なり、SNSデータを分析することは、リアルタイムで彼らが何をしているのか確認することを可能にしてくれます。結果として、自分たちも後れを取らずに行動することができます。
自社の競合相手とは?
自社の競争相手が誰であるか、彼らが提供する製品、価格、時間、カスタマーサービスなどを知ることはあなたのビジネスを際立たせるのに役立ちます。 長所と短所を分析したら、焦点を絞ったマーケティングキャンペーン、製品とサービスの柔軟性や価格における彼らの脆弱な領域に対して対抗していきましょう。
彼らはどのような製品やサービスを提供していますか?
競合他社の製品やサービスを深く掘り下げます。 自社の製品にはない機能がありますか? それは消費者にどのような価値をもたらしますか? 彼らはどのように製品をマーケティングしていますか?
彼らの長所と短所は何ですか?
競合他社の長所と短所をリスト化してみましょう。 自社ブランド・製品は彼らの強みに負けていますか?また、彼らの弱点といわれる点は、逆に自社製品の良さとして活かせることはできますか?
競合他社と何を比較するべきか?
シェア・オブ・ヴォイス
シェオア・オブ・ヴォイス では、競合他社自社ブランドについてどれくらいはなされているかを比較分析することができます。もちろん、炎上したケースで投稿量が増えていることもあるので、どのような会話をされているかを見に行く必要はありますが、全体像として、自社ブランドに置けるブランド認知を把握することができます。
下記の図は、Talkwalkerのクイック・サーチ機能を使用して、コカコーラ、ペプシ、ドクターペッパー、レッドブル、ゲータレードにおける過去13か月間の投稿量・内容を可視化しています。
コカコーラ、ペプシ、ドクターペッパー、レッドブルの過去13か月にわたる投稿内容を比較した競合分析
コカコーラは業界内でもトップのブランドになりますが、一方でペプシは4月に250万件の投稿数を獲得し、話題になりました。この場合、コカコーラはペプシの投稿量を増やすきっかけは何だったのかを分析しなければいけません。そしてその分析では、コカコーラも同様のコンテンツを投稿すべきなのかを見極める必要があります。
If only Daddy would have known about the power of #Pepsi. pic.twitter.com/FA6JPrY72V
— Be A King (@BerniceKing) April 5, 2017
ペプシの投稿量が急増したのは、炎上ケースでした
この場合、コカコーラとしても真似しようとしてもできないコンテンツといえるでしょう。
センチメント分析を活用した競合分析
つづいては、ネガティブやポジティブな感情をふりわけるセンチメント分析を実施してみましょう。自社ブランドに関して、消費者なネガティブな感情を持って会話しているのでしょうか?それともポジティブな感情が多いのでしょうか?同時に競合他社と比較することで、各キャンペーンがブランドに対する消費者の認識にどのように影響しているかを理解するのに役立てることができます。
Quick Search sentiment analysis of McDonald's vs Burger King over 13 months.
過去13か月間のマクドナルドとバーガーキングに対するセンチメントを見てみるとと、マクドナルドはバーガーキングの40.5%に対して、62%の否定的な感情を持っています。
深く掘り下げると原因が特定できます。 マクドナルドは10月9日にネガティブなコンテンツで掲載されたYouTube動画で不振に見舞われました。
一方では、バーガーキングは有名人からのポジティブなツイートでポジティブな感情が増えました。
— Kim Kardashian West (@KimKardashian) October 21, 2017
自社ブランド・製品関連するキーワードやフレーズ
センチメントを深く掘り下げいくと、それらの感情を引き出している原因を発見することができます。 会話の重要なトピックを見ていくことで、消費者があなたのブランド、製品、またはサービスについて何を言っているかを特定していくことが可能になります。 そして消費者が使用している単語やフレーズを明らかにすることで、ブランドがどこに適しているかをよりよく理解できます。 また、これまでにないブランドの位置付けや会話への参加の機会にも広がります。
こちらの図は、過去13か月に渡っての5つのブランドを取り巻くト上位のテーマになります。レッドブルはコカコーラを抜いて、99.6%から99%上回りました。
コカコーラとしては、何がレッドブルの投稿量を増やしたのか原因を見極める必要があります。
顧客の人口統計
あなたの競争相手のオーディエンスは誰になるのでしょうか? あなたと同じですか?
焦点を絞り直してターゲットを絞り、オーディエンス層を増やしていきましょう。例えば、 あなたの既存のオーディエンス層はかなり若く、一方で競合他社は年上層のオーディエンスを獲得しているとします。この場合、 この年上の層のグループをターゲットにして、あたなの製品・サービスを紹介することは考えられますでしょうか?そして、 競合他社が好調に売上を伸ばしている国、市場などくをを見逃していませんか?
こちらはクイック・サーチ機能を活用して算出したNike、AdidasそしてReebookを各国単位で比較したマップになります
Nikeはスポーツシューズ業界をリードしています。 そしてその後には、AdidasとReebookが続いているのが分かります。 今回のクイック・サーチ検索の結果では、ブランドの国/地域のシェアが近いことを示しています。 同時に、Nikeと比較した際、AdidasとReebookは、韓国の500万人以上のオーディエンスをターゲットにすることも検討すべきことがこのマップから読み取れます。
属性分析
オーディエンスが何に興味を持っているかを調べれば、オーディエンスの関心を得ることができます。SNS分析では、あなたのオーディエンスの興味と競争相手の興味を可視化します。これにより、競合他社のファンにアピールする方法についてのインサイトが得られます。 そしてオーディエンスをセグメント化して調整することもできます。
コカコーラ対レッドブルのオーディエンスの関心を比較
当然のことながら、レッドブルのオーディエンスは、スポーツに興味を持っていることがこの図から見て取れます。 レッドブルはコカコーラの主要な競争相手として捉えることができ、コカ・コーラとしては市場シェアを増やすためにスポーツ愛好家をターゲットにする必要があるとも言えるでしょう。
分析ツールの紹介
ここからは無料で活用できるツールをご紹介します。こちらのブログ【最新版】おすすめの競合分析ツール14選ではもっとたくさんのツールをご紹介をしておりますので、気になる方は是非ご覧ください。
クイック・サーチ機能 | SNS検索エンジン
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
競合分析は、一回で終わるものではなく、継続して結果がでてくる分析とも言えます。定期的な競合分析を実施することで、彼らに勝る自社ブランドの強みもしくは弱みを常に見ていくことができます。まさに、敵を見て学ぶ姿勢ですね! ご紹介しているツールは無料版でまずはお試しできますので、是非お気軽に自社ブランドの製品・サービス名を検索してみて下さい。まずは最初の一歩を踏み出してみましょう。